猫の症例です。
爪の部分にできものができている、近隣の動物病院へ行ってみてもらったが良くならない。検査のために麻酔をかけなければならないといわれ、きちんと調べるにはそこの部分を切除する必要があると説明を受けていました。
なんとかならないものかと悩んでいた時に、ペットクリニックZeroのオンライン相談を見つけたそうです。
写真は、飼い主さんが提供してくれました。
画面越しでは、分かりにくい部分があるため、写真を撮って送ってもらいました。
どこが問題の部分かというと
丸の部分です。爪の生え際にピンク色の盛り上がりがある。そこです。
動物病院へ行ったら、腫瘍の可能性があるといわれたそうです。麻酔をかけて部分的に切除して検査をしましょうと選択を迫られたそうです。
飼い主は、そこでの返答は保留にして、一旦家に持ち帰った。良い選択だと思います。
その場で決定するのは、オススメはしない場合があります。説明を受けてショックかもしれないですが、一度冷静になる必要があると思います。冷静な判断をしていただきたい。
そして、クリニックをたまたま見つけ、セカンドオピニオンとして利用した経緯です。
・検査をするべきか迷っている。
・治療法は何かあるのか?
この2点をメインでお話ししました。
検査の方法は、ピンク色の盛り上がりの部分を少し切除して病理検査するということ。
この方法だと、少量の塊しか取れなくて、電気メスを使用した場合、切った部分が焼けるように切断されるので、正確な組織診断ができなくなる可能性があります。
詳しく診断をするには、ある程度の塊が必要です。腫れている部分は、おそらくとても小さい。切除を考えるなら、少量の固まりでは正確な組織診断までたどりつけないことがあります。
大きく取らなければいけない。とすると、方法は爪ごとなのか指ごとなのか、爪もしくは指を含めて切除するということになります。
先生の判断にはなると思いますが、そのようなことも想定できるわけです。
そういう検査というのは、ほとんど知らないでしょう。
実際、私は、経験し、実践しているので、アドバイスが可能になります。
猫に負担はかかるのか?
検査自体、麻酔をかけないと難しいでしょう。おそらく全身麻酔だと思うとお話させていただきました。
検査の話題から、どうして爪の根本がそうなってしまったのかということを掘り下げていくことにしました。
すると
「舐めている」という言葉が聞かれました。
そこの部分を良く舐めるし、そうなる前から舐めていたと。
舐めていたことが原因かもしれない。
飼い主さんは気付きませんでした。
爪に、爪付近にできるできものは、悪性腫瘍だという話があります。
飼い主もそんなことを言われたと話をしていました。
悪性と決めつける前に、やれることをやることが必要です。
舐めていて腫れたというのは口の中の環境が悪いのかもしれません。
とすると、口のことを考える必要が出てきます。
今回の場合、まず、清潔にしていくことをメインにお話しをして、飼い主さんはそれでやってみたいと言ってくれました。同時にクリニックで扱っている還元サプリをやってもらうように指示しました。
下が途中経過です。
ピンク色の盛り上がりは、ほぼありません。
この下はほぼ元通り
無事、膨らみが消えました。
継続して、飼い主と話し合いを重ねた結果だと思いますし、しっかり飼い主が清潔にすることを心がけてくれた結果だと思います。
原因をうまく取り除いた結果、元に戻った症例でした。
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