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保護犬と保護猫が減らない理由は?

あや副院長

その理由は、ペット業界が発展し続けるから


今日はいつもとちょっとテイストの違うことをブログを書いてみようと思います。


これを書こうと思ったキッカケは、


「鬼滅の刃 遊郭編 最終話」を見たから。


上限の陸・蛇姫&妓夫太郎の兄妹の生い立ち…人間の欲にまみれた遊郭、その最下層が暮らす場所で生まれ育ち、厄介者扱いをされながら生き続け、命を落としかけたところで鬼になった兄妹…


いつの時代も【欲】の裏側には【光と闇】が表裏一体で存在する。

そこになぜかふと動物たちを重ねてしまったのです。


裕福な家庭に迎えられ、おしゃれな服に身を包み、ドッグカフェやリゾートホテルで美味しいご飯を食べて、愛情をたくさん注がれるコ


がいる。


一方で…


悪徳ブリーダーと呼ばれるところに生まれ、糞尿にまみれて、十分にご飯ももらえず

毎日空腹で、タオルも敷かれない金網の上に座って、交配させられ限界まで産まされるコ


もいる。


結論から言って、


動物に起こる悲しい出来事を断つにはペット業界の衰退なしにはできないと思うのです。


批判をするつもりもないし、誰かを責める内容でもありません。


犬猫が捨てられず、虐待やネグレクト、人間に服従することのない世の中ができるなら私たちは動物病院を閉めてもいいとまで思います。


動物病院が動物病院として機能しなくなることが究極の形。


私は自分の仕事が保護犬、保護猫を増やすことに加担しているという自覚があります。


自覚があるからこそ、

1頭でも多く病気になりにくい身体づくりに取り組んでもらえる人を増やして、

動物病院にかからず、生涯を全うできる犬猫を増やしたいと


主人とペットクリニックZeroを開業しました。



まだその意味と背景がわかりにくいと思いますので、もう少し話を進めます。


日本ではペットショップで犬猫が売られていて、それを買う人がいるのが悪い!!という発信をよく見ますが、問題はそう簡単なものではありません。


ペットショップも、動物病院も、トリミングサロンも、トレーニングも、ブリーダーも、保護団体も、ペットカフェも、ペット系SNS発信も、ペットイベントも、あらゆる日本で行われているペット関連事業全て、そして消費者である飼い主さんでさえも責任があると言えます。


ペット業界で仕事をしているだけで、ペット関連のモノやコトを消費するだけで、

原因を生み出している加害者ということです。


動物園も、水族館も、競馬も同じ。


それを自覚して仕事をすることは本当に辛いです。

私には2人の子供がいて育てる責任があります、だから仕事を辞めてしまうこともまたできません。


ペットに関係するすべてのことが【ペット】を生み出す循環を作り出しています。

人間の【欲】の上にペットビジネスが成り立っていることは事実だと思うのです。

「お金」だけではなく、「楽しみたい」「守りたい」も人間の欲です。


だからといって命を見捨てることなんてできない。


これは人間にだって同じことが言えるわけで…

私たち人間が欲にまみれているからこそ世の中には多種多様なビジネスが存在し、

人々が便利になったり楽しむといった光の側面がある一方で、貧困や虐待といった闇がある。


だからといって困っている人を見過ごすことなんてできない。


そんな葛藤の中でみんな生きているんですよね。


ペットショップ、動物病院、トリミングサロン、トレーニング、ブリーダー、保護団体、ペットカフェ、ペット系SNS発信、ペットイベント、あらゆる日本で行われているペット関連事業全て、そして消費者である飼い主さん…


動物に起こる悲しい出来事は特定の誰かのせいではなく、自分のせいであることを自覚してそれぞれの信念の元、目の前の命に向き合って生きていったらいいと思うのです。


診察台でくつろぐ猫
ウメ

このコはうちの猫「ウメ」です。

もう、お空へ旅立ってしまいましたが、保護センターから推定20歳の腎臓の悪いウメを引き取り、穏やかな看取りをするべく私たちなりのケアして家族みんなで精一杯の愛情を注ぎ見送りました。



なんで高齢の子だけ?若くて病気を持った子もたくさんいるのに!と言われるかもしれませんね。


鬼滅の刃の「宇随天元」が「俺の手の平から今までどれだけの命が零れたと思ってんだ」という名言がありますがまさしくそれです。


私も動物病院に長年携わっていて、この手の平からどれだけの動物たちの命がこぼれたかわかりません。 


動物病院に勤めていた時を思い出すと、動物看護師の私が獣医の治療方針に口出しできるわけではなかったので仕方がないことですが…

あぁ、あの子はあの処置をされなければ自宅で穏やかに最期を迎えられたんじゃないか、あの子はあの治療をしていなければ長生きできたんじゃないか…


そう思わずにはいられません。


今日も自分たちのせいでどれだけの犬猫の命が失われているかわからない。


だから自分の役目を理解して目の前の命に精一杯向き合い、病院通いをするコを減らす。

そう思って仕事をしています。真剣です、手を抜きません。


飼い主さんができることは、今のわんちゃんやねこちゃんの食べ物や生活や病院通いに何か違和感や不安があるなら相談して改善するということです。


それが必ずしもペットクリニックZeroでなくても良いです。


自分が納得できる方法で、ここまでやったんだから仕方ないと受け入れられるくらい…胸を張れるくらい…わんちゃん、ねこちゃんと暮らしてください。

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